分かりやすさを重視しているため、厳密な解説ではありません。ご注意ください。
今回は「IPアドレス」について、解説していきます!
名前だけなら聞いたことがある…そんな人も多いのではないでしょうか。それもそのはず、IPアドレスはネットに欠かせない存在なのです。IPアドレスなくしてネットなし、と言えるかもしれません。
そんな身近なIPアドレスですが、その正体は何なのか?早速見ていきましょう!
IPアドレスとは何か?
一言で表すなら、ネット上の住所です。他の記事でもよく見かける表現だと思います。
名前に「アドレス」と付くぐらいなので、住所を表すんだろうなぁ…とは予想できます。しかし、なぜ住所がネットに必要なんでしょうか?
IPアドレスはなぜ必要?
一例として、ネットで記事(Webページ)を見る場合を考えてみましょう!
ネットでのやりとり(通信)は、手紙に例えると分かりやすいです。
これになぞらえると、記事を見たいときは…
- 記事を持っているコンピュータに「記事が欲しいです」と手紙を送って
- お目当ての記事を自分のコンピュータに送り返してもらって
- それを自分のコンピュータで見る
この手順を踏まなければいけません。

どうやって記事を見る?
記事はすぐに表示されるので、あたかも自分のコンピュータに記事が入っているように見えるかもしれません。しかし、実際は他のコンピュータから記事を借りているだけなのです。
記事を見たいときは、いちいち相手に手紙でお願いしないといけません。面倒ですが「そういうもの」と思うしかないですね…。
ここでは、欲しい記事をコンピュータ A が持っていることにします。ネットで A の場所を特定すれば、手紙が送れそうです。
しかし、ここで問題が生じます。A がどこにあるのか分からないんです。
現実世界で考えてみましょう。あなたが友達のボブくんに手紙を送りたいとしても、ボブくんがどこに住んでいるのか分からなければ、送りようがありません。

ボブくんが住んでいる場所の候補は地球上すべてです。この中からピッタリ場所を見つけ出すなんて、神でもない限り不可能でしょう…。これと同じことがネットでも言えます。
今のネットにはとてもたくさんのコンピュータ(パソコン、スマホ、タブレットなどなど)がつながっています。
その中からお目当てのコンピュータを見つけるのは簡単じゃないんです。ボブくんを探すより時間がかかるかもしれません…。
では、どうすればスピーディーに(かつ効率よく)見つけられるのでしょうか?
ここで、IPアドレスの出番です!
IPアドレスは通信に欠かせない
現実では「ボブくんに手紙送れない問題」を解決するために、住所が考え出されました。
一応、住所について確認しておくと「建物や家がどこにあるのか確認できるもの」です。つまり場所を表す目印ですね。

住所を使えばボブくんの場所も一発で分かりますし、手紙もすぐに送れます。これのネット版がIPアドレスなんです。
ここで一旦、IPアドレスの書き方について見ておきましょう。基本的には10進数の数字4組で表し、1組ごとにピリオドで区切ります。
例※をいくつか出すと…
0.0.0.012.345.678.901255.255.0.172.64.82.134
こんな感じです。こういった数字の羅列を見たことある人もいるんじゃないでしょうか?これが基本的なIPアドレス=ネットの住所になります。
※例に出したIPアドレスはでたらめです。規則には沿っていません。

IPアドレスを使えば、ネットのどこに A があるのかが瞬時に分かります。
場所さえ分かってしまえばこっちのものです。A の住所=IPアドレスに向けて「こんな記事が欲しいんですが…」という手紙を送って、無事に記事を拝借できれば、晴れて記事が見られます!

気づいた人もいると思いますが、あなたが手紙を送るときだけでなく、A が記事を送るときにもIPアドレスが使われています。
あなた → A のときは 123.456.789.0 が、A → あなた のときは 59.63.46.49 が宛先として使われているのが分かりますね。
今回はネット記事の例を見ましたが、ネットのコンピュータ通信には常にIPアドレスが使われています。SNS, オンラインゲーム, ストリーミング, Web検索… すべてIPアドレスがなければ成り立ちません。住所が分からなければ通信=手紙のやりとりもできませんので…。
IPアドレスはとても重要な存在で、コンピュータの通信には必要不可欠。まさに「IPアドレスなくしてネットなし」ですね!
手紙を送るのに必要なものは?
今回は通信を手紙に例えましたが、実際はパケットと呼ばれるものをやり取りしています。パケットは、手紙を包装する封筒のような役割を果たしています。
また、(手紙を送るには郵便ポストとか郵便局が必要じゃない…?)と思った人は鋭い!ネットには代わりにスイッチ(ハブ)やルーターがあります。こちらも知っていると面白いので、是非調べてみてください!
IPアドレスの2大原則
ここからは、IPアドレスをもう少し深堀りしていきましょう!
見出しにも書きましたが、IPアドレスには重要な2大原則があります。
IPアドレスを使うなら絶対に知らないとダメなことです。それぞれ詳しく見てみましょう。
重複はダメ
基本的に、IPアドレスが重複するのは許されません。それは、住所になぞらえればすぐに分かります。
現実世界で同じ住所の家がいくつもあったら、どうなるでしょうか…?その住所宛の手紙をどこに送ればいいのか、分からなくなってしまいますよね。

なので、ネットでも同じように、IPアドレスは一意でないといけません。
本来は 32ビットで表す
先ほど「IPアドレスは10進数の数字4組で表す」と言ったばかりですが、これは正確ではありません。
本来は 32ビットの2進数 で表します。
例えば、255.255.255.1 というIPアドレスがあるとします。これを2進数に直すと…
11111111.11111111.11111111.00000001
これが本来のIPアドレスの形です(いきなり0と1の羅列になりましたが、2進数に変わっただけで、数値的には同じです)。コンピュータ内部ではこの形で扱われています。
「じゃあ2進数で表せばいいじゃん」と思うかもしれませんが、2進数だととても読みづらくないですか?見間違えそうですし、長いのでスペースも取ります。
わざわざ10進数で表すのは人間が読みやすくするためなんです。
また、IPアドレスは省略もできますが、こちらもルールがあります。
2進数で表す場合、IPアドレスは32ビットと決まっているので、省略はできません。先ほどのIPアドレスなら、最後の00000001 は 1 にしてはいけません。
ただし、10進数のときは分かりやすさが大事なので、省略しても大丈夫です。10進数で表す目的は「人間が読みやすくするため」ですからね。

さらに、IPアドレスは8ビットごとにピリオドで区切って表すので、2進数から10進数に直す際も、8ビットごとに直すのが一般的です。

ビット列の呼び方
8ビットをまとめて1オクテットと呼ぶこともあります。
IPアドレスは4オクテットですね。
最後に、IPアドレスの範囲も考えてみましょう。
2進数で表す場合、①~④の最小は 00000000 、最大は 11111111 になりますよね?
これを10進数に直すと 0 と 255 なので、IPアドレスの①~④は必ず 0 ~ 255 の範囲に収まることになります。
つまり、IPアドレスの範囲は 0.0.0.0 から 255.255.255.255 までになりますね!
IPアドレスの注意点
IPアドレスはネットの立役者ですが、注意しないといけないこともいくつかあります。それぞれ紹介していきますね。
IPアドレスでおおまかな位置情報が分かる
IPアドレスはネットの住所です。しかし、「ネットだけだから現実と関係ないでしょ」と思ったら大間違い。
実は、すべてのIPアドレスは現実の位置情報と結び付けられているんです。
それを体験できるのがこちらのサイト。
アクセスした際「あなたが人間であることを確認してください」や、「User has denied the…」といったポップアップが出ることがあります。チェックボックスに✅を入れたり、OKボタンを押したりして進んでください。
下へスクロールしていくと、地図が現れます。マップピン📍周辺が、今あなたがアクセスしている場所です。

今体験してもらった技術はIPジオロケーションといって、IPアドレスから位置情報を推測できます。
ネットを見ていて、自分が住んでいる地域の広告が出てきた経験はありませんか?実はそれもこの技術が関係しているんです。ネットにつなぐだけで位置情報が知られてしまう危険性があるとも言えます。
これを知ると、(自分の住所が特定されてしまうのでは…?)と思うかもしれません。しかしご安心ください、その可能性はほとんどありません。
マップをよ~く見てみてください。ピンが打ってある場所は自分の現在地から結構離れていると思います。人によってはまったく違う場所にピンがあるかもしれません。
IPジオロケーションはおおまかな位置(国、県、市町村など)は特定できますが、住所が分かるほど細かくはないのが実情です。
なので、下手に心配する必要はありません。ただ、IPアドレスを使えば大体の位置は分かってしまうことは、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。
IPアドレスだけで個人が特定されることはほぼありませんが、警察の犯罪捜査では他の技術(GPSなど)を組み合わせて、個人を特定することもあります。
IPアドレスの構造
位置情報を推測できるなら、IPアドレスは現実の住所と同じような構造を持っているのでは…?と考えた人もいるのではないでしょうか?
実はその通りで、詳しい人なら数字を見ただけで「○○のIPアドレスだな」と分かります。超おおざっぱですが、111.222.33.44 は
111が 国 を222が 都道府県 を33が 市町村 を44が 地区 を
表しているイメージです。日本国.北海道.札幌市.中央区 といった感じですね。
ただし、この例がそのままIPアドレスの構造になっているわけではないので、あくまで参考程度に考えてください。実際はISP等、複数の機関や機器による階層構造になっています。
IPアドレスは自由に利用できる
多くのサイト(コンピュータ)では、訪れた人、つまり通信相手のIPアドレスが記録されています。記録することで
- どの地域から
- どの時間帯に
- どれだけの
アクセスがあるのか…などが分かります。
現実の住所のように許可取りをする必要がない※ので、こうして簡単に利用できてしまうんです。
※例外的に許可取りが必要な場合や、そもそも利用できない場合もあります。
また、検索エンジンもIPアドレスを利用しています。
IPアドレスを使って、その人にもっとも合うであろう結果を優先的に表示するようになっているのです。
ひとつ試してみましょう。「天気」と検索してみてください。
検索結果には近くの市町村の天気予報が出てきたのではないでしょうか?

画像は、愛媛県松山市周辺で検索したイメージです。「天気」しか書いてないのにこんな結果になるのは、先ほど説明したIPジオロケーションの影響が大きいです。
Cookie 🍪
実際には、IPアドレスに加えて Cookie も使われます。
IPアドレスだけだと大まかな位置情報しか分かりませんが、Cookie を使うとその人の嗜好まで分かってしまいます。
検索エンジンや広告は、IPアドレスの位置情報+Cookie から得た嗜好を考えて、その人に一番合った結果を出しているのです。
今回は詳しく解説しませんが、Cookie のことをもっと知りたい人は、こちらの記事が参考になりますよ。
このように、IPアドレスはいろいろな場面で利用されています。はじめに説明したように、IPアドレスは通信するうえでとても大事なので、「利用するな!」と言う方が無理があります。
しかし、「通信のために利用する」のと「それ以外のために利用する」のは 別の話 です。自分のIPアドレスは通信以外にも利用されている…ということを覚えておきましょう!
まとめ
ここまでの読了、大変お疲れさまでした!IPアドレスの基本の「き」は知れたのではないでしょうか。
ただ、今回は基礎を中心に解説したので、省略した部分もたくさんあります。例えば…
- IPアドレスの階層性(クラスとサブネット)
- グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス
- 静的IPアドレスと動的IPアドレス
- IPv4 と IPv6
- NATとNAPT
- プロキシとVPN
- and so on…
これらはすべてIPアドレス関連の用語や技術です。どれも大切なので、この記事と合わせて知っておくとよいでしょう。
自分で調べてみるのもよいですし、実際にその技術を試してみるのも面白いですよ。
それでは、お疲れさまでした!